この記事は我が家で飼育している海外のネッタイコシビロダンゴムシの一種であるアンバーダッキーの繁殖状況・環境に関する記事です。

2025.04に22匹の成体をお迎えして飼育を開始したアンバーダッキーですが、2025.06.29現在すでに確認できているだけで50匹程度にまで繁殖しています。
とても良い状態の成体をお迎えできた幸運も大きい要因だと思いますが、繁殖に適した飼育環境を用意できた事が短期間で数を増やす結果に結び付いたとも考えています。
以下に繁殖が特に盛んだった時期の飼育環境の詳細を記載しておきますので、これからアンバーダッキーの飼育を開始する方の参考・一助となれば幸いです。
飼育ケース
飼育ケースは以下のものを使用しています。
JEJアステージ収納ボックス パッキン付き W29.5×D44.3×H25.9
いわゆるプラスチックコンテナです。高湿度を維持しやすいパッキン付きの気密性の高いものを採用しました。
大きさは昆虫飼育で使用する特大プラケースなどよりもさらに大きいサイズです。
大きなサイズを採用している理由は、床材の量、高低差のあるシェルターを配置する空間の確保、湿度勾配の確保、空間湿度の維持、頭数が増えた際への配慮などです。
上記の非常に使いやすいケースですが、空気穴を確保するためにプラスチックカッターやカッターナイフで加工するひと手間が必要です。
床材
我が家のアンバーダッキーの飼育に使用している床材は複数の基質をブレンドしたものを採用しています。
内訳は以下の通りです。
- ミズゴケ(割合:5)
- ココピート(割合:3)
- 木炭(割合:1)
- 川砂(割合:1)
作り方の手順は以下の通りです。
- 初めにミズゴケを用意します。乾燥した状態でレンジ加熱しておくことで、意図しない生物の発生を抑制できるのでおすすめです。その後ミズゴケを加水して湿らせておきます。ギュッと握ると水が染み出す程度の水加減がベストです。
- 水で戻したミズゴケにココピートを加えてよく混ぜ合わせます。空気を含ませながらふっくら混ぜ合わせるのがポイントです。
- ミズゴケとココピートが十分に混ざったら残りの素材も加えて混ぜ合わせていきます。全部を一気に加えてしまっても問題ないですが、仕上がりはあくまでふっくらふかふかを目指してください。
- 空気を含ませながら、すべての素材がふかふかに混ぜ合わされば完成です。
ミズゴケとココピートで保水性を確保しながら、木炭と川砂で通気性と排水性を高めた湿度と清潔性を維持しやすいブレンドです。
床材の量ですが、最低でも飼育ケースに深さ10cm程度の厚みを確保できるようにしています。厚みを持たせた床材の中で湿度の循環が生まれ、適切な湿度を長期間維持する狙いがあります。
温度・湿度
繁殖が盛んだった時期の飼育ケース内の温度と空間湿度に関しては以下の通りです。
- 平均温度:26℃
- 平均湿度:90%(空間湿度)
空調は全く使用していない環境でしたが、ケース内の平均温度と平均空間湿度は上記のような数字を記録しています。
生息地のタイの雨季を想定して高めの空間湿度を維持しています。
餌
我が家で与えている餌は主に以下の2種類です。
- キョーリン「Hikari カメプロス 小スティック」
- キョーリン「ヒカリクレスト ミニプレコ」
上記2種類を小さめに砕いて与えています。
量は頭数によって変動しますが24時間以内にエサ皿からきれいに無くなっている程度が適量なようです。
餌を与える頻度ですが基本的には2日に1回です。ケースバイケースですが、活動が活発な梅雨の時期には毎日与えることもあります。
シェルター
現在の飼育環境で使用しているシェルターは以下の通りです。
- 流木:マルカン(ニッソー)中サイズ
- 白玉石(石灰石)角型
メインのシェルターは流木です。穴が沢山開いているスタンプウッドのような形状のニッソーの中サイズを採用しています。
白玉石は、流木とは組成の違うシェルター兼炭酸カルシウムの補給場所として設置しています。
2種類は隣接する形で床材の上に直置きしています。
さらに一工夫
我が家の飼育環境では湿度管理の簡略化と湿度勾配を設ける狙いのために、上記のブレンドした床材のほかに加水しただけのミズゴケも床材として採用しています。
量はそんなに多くなく、ブレンドした床材9:ミズゴケ1程度です。ブレンドした床材に隣接するように配置します。
空間湿度をモニターしながら適宜霧吹きで加水しているのですが、基本的に水をかけるのはこのミズゴケエリアだけです。
さらに、湿度を維持する狙いでブレンドした床材の上に市販されている清潔な落ち葉を配置しています。落ち葉を配置することで暗所が増え、アンバーダッキーの落ち着ける場所を提供する狙いもあります。
まとめ
私は飼育ケース内に配置するオブジェクトの種類は最小にすることと、各オブジェクトに明確な役割もたせることで、管理のしやすさを実現しています。
長期維持とアンバーダッキーの健康を考えたセッティングや管理方法なので観察にはとことん不向きですが、ここまでこの記事を読んでくださった方に少しでも力になれれば幸いです。